そこからが、沼

闇金ドッグスの安藤忠臣によって山田裕貴の演技沼にはまってしまった人間の走り書き

忠臣の理想の仁義VS親の愛(血縁)の現実 闇金ドッグス8

闇ド5と同じく
目を背けたくなるような、見る人を選ぶような
内容ですが。
見方によっては、興味深い回です。
忠臣の取り立て当番のターンです。
筆者は安藤忠臣が大好きなのと彼の過去が垣間見えてくるのが興味深いので、その辺りを掘り掘りしていこうと思います。


シーンとか台詞から拾ってくると、そう見えてくる。
あくまでも、一つの解釈として
私にはこう見えたという記録で綴ってゆきます。


何も前情報がない状態で見ると
安藤忠臣という闇金業者が盛大に「人でなし•冷酷・最低」に見えてくるんですが。


ガチバンUMNG2闇金ドッグス1を見ている前提で話は進んで行くので、もしガチバン2作を御覧になっていなかったら御覧になると安藤忠臣という人間の印象がおそらく覆される。


人の道を外れている事に変わりはない、だが非道の中に彼なりの仁義が見えてくる
安藤忠臣はそんな男です。


ガチバン2作を見なくても闇金ドッグスシリーズで忠臣の過去を補完できる様にはなっているんですが
闇ド1 小中の台詞より、安藤忠臣には妹がいる
・闇ド3・6
(女性の債務者が返済出来なくなったら
闇ド6の司の台詞の「デリヘルでもAVでもなんでもあるだろ」より)
その手の職業の斡旋ができる(ガチバンNG2で忠臣は風俗業の斡旋の仲介をしている)
・闇ド6
未奈美の前から消えてヤクザの世界を選んだ
家から飛び出している(子供の頃にヤクザの道を選んでいる)


唯一、ガチバン2作で拾ってこないと
盛大に解釈違いを起こしはじめそうなんですが
忠臣は母親に捨てられている
(ガチバンUMより母親が事務所に履歴書を持ってきた)
この部分に関しては、闇ド8カレーのシーンで回収出来なくわない
忠臣は甘口しか食べれない(「香辛料、苦手なんだよ」)
味覚が幼少期で止まっているとも考えられなくは無いわけで、ラストの「すき焼き」も甘いのが好きという事なのかな。あんなに煙草吸ってるのにな…。

 


ガチバンUMより
・忠臣は母親に捨てられ大山彦にやってきた過去があり忠臣は母親を恨んでいる。
あいつ死ねばいいんすよ」と言い放ったところ
父の様に
親は親だ」と
叱ってくれた西口の兄貴の台詞
・闇ド1で忠臣は次郎さんに
どんな事があったにせよ、お前は俺の子分だ
と言っている
この次郎さんは、ガチバンNG2では闇ド7の新入り子分くん並みに忠臣にフルボッコにされている
=忠臣なりの愛情表現


忠臣は親に愛情を受けなかった人間だが
西口の兄貴や豊田さんや親父(大山彦)から愛情をもらい
親として、どうあるべきか矯正して組長まで登っていった
子(次郎)為なら惜しいものはない、自分の身を捨てる事ができる
忠臣なりの親の在り方であり、自分が捨てられた過去を持っていても自分は血縁がなくとも子を捨てない情に熱い人間なんですよね
それがヤクザ社会の仁義なんですけど、それは忠臣がヤクザだったからというわけではなく
彼の人生で養ってきた信念なんですよね

 

上記の部分を憶えておき、闇金ドッグス8を見ると見え方が変わってきます


ラストから遡って考察をしています
筆者は海外ドラマとかアニメとか
溜まるとめんどくなって新→旧で見始めたりする邪道人間です。
(どうして忠臣そんな目をする?なぜ、その提案をする?と遡りながら見ると筆者は色々な物が見えてきました、捉え方が違って見えてきます)

 


闇金ドッグス8

ラストの母親と娘が
重度の障害を負って下りた
父親の保険金を持ってラストファイナンスの事務所を訪れ
完済して席を立つ親子の姿を
忠臣は、なんとも言えないような目で見ている(山田裕貴の、この目の動かし方が
忠臣の多くを語らない心情が垣間見えるポイントです)


その後
ふぅ…鼻息…立ち上がって自分の机に向かって、ふぅ…ため息
全部、司の台詞「地獄の脚本家先生」である安藤さん貴方がお書きになったシナリオなんですが。やたらと、ため息が多いな。
シナリオどおりに、その結末にたどり着いてしまった、
親子というか『娘を哀れんでそう』なのか『親の愛の理想と現実』に落胆してるのかどっちなのか。いやもうどっちもなのか。


闇ド9
カタギの欲望ほど怖いものはねぇ
の台詞の意味が、この親子の事だろうか。


忠臣の妹は同じくらいの年齢だろうか…
下衆一家は4人家族で兄妹がいるから、
(闇ド1の小中の台詞より忠臣には妹がいる)
忠臣と同じような家族構成なのではないかと。(父の存在は語られていないが、ガチバンUMで母親に捨てられた過去がある)


忠臣が見ていて溜息連発するような、母親。
躊躇いもなく娘を差し出した
最終的に夫を差し出したが、一番自分が可愛いタイプ。忠臣の母親と似てるのか?ななどと思ったりした。


最後に取り立てに行った時に、誰が返済するか
忠臣は、娘を売り捌け・娘に股を開かせろ娘に身売りをさせろ提案したが
この提案は、忠臣がこの親達がどんな人間かを見定める提案だったのではないか
娘は当たり前だが拒否をする
だが母親は、娘に自分達の借金の為に身を捧げろと言う
誰が工面するのかの口争いになる
忠臣は最終的に、国の保証にでも頼るんだなと言い残して帰っていく


明かに、
自分の腹を痛めて産んだ子に対して何処まで情があるのかを
忠臣は母親の心を推し測ったのではないか
ガチバンUMで西口の兄貴に言われた
親は親だ」というのを
確かめたかったのかもしれない

 

 

https://tsutaya.tsite.jp/news/geinou01/i/39461959/index
山田:(山田演じる)忠臣が、借金を申し込んだ家族に「あと1万(円)、誰か借りるか」って言ったときに、その滑稽な姿を見て忠臣が笑うんですよ。シリーズを通して忠臣が笑っているシーンなんてほとんどないんです。台本にも書いてなかったんですけど、自然に出て来た
裕貴くんのインタビューでも、登場するんですが

 


争奪戦を繰り広げる3人みて、めちゃくちゃ大きいトーンで
わかった!わかった!足りないなら後2万」と言って追加融資する、嗤った後直ぐに真顔に戻るのですが。(筆者が凄く好きな忠臣の顔です、真顔になる時が。
闇金ドッグス8の忠臣は人間の欲望を傍観しているように思う
大山彦で天辺まで登り詰めるという夢を失い
最愛の女である未奈美を手放して
忠臣には私利私欲が全く見えてこない


予告の安藤忠臣のキャッチフレーズが
孤高の闇金アウトロー」なので
孤高
「私利私欲を求めず他者と妥協することなく「名誉」や「誇り」といったものを重視する」
という意味
なので
このキャッチフレーズまんまやで忠臣
そういうところ闇金ドッグスのスタッフやばいな


自分には、ない人間の欲望を見て楽しんでいるのでは
なぜ、金に溺れていくのか
なぜ、大事な人を切り捨てる事ができるのか
理解できない、だから人間の醜い部分を探究しているようにも思う


その後、後半に向けて
家族がバラバラでラスファイに
忠臣に金を借りに来るんですが
父、母は特になんとも思っていなさそうに融資をするんですが
娘の時だけ、ラストの事務所の去り際と同様に忠臣は娘を何度も見て姿を目で追うんですよね
その後、なに考えているんだろうという目をする
(初見は、妹と同じくらいの年齢かなだから気にしているのかと思った)


この時点で、忠臣はおそらく
この下衆家族が返済に困窮する状況が見えていて
返済するにあたり、ガチバンNG2で風俗の雇用斡旋をしていた過去もある忠臣からしたら
若い娘が一番金になるのを解っている
そして、寝たきりの兄(息子)の悲惨な状態を見て
親達は金欲に狂っている状態で娘を切り捨てる様な親だともう悟って、哀れみの様な目を向けてるのかというのを前提に頭の隅に置いて。


ラストの取り立てのシーンを、もう一度見てみると


忠臣が「だったら娘売り捌け」「男相手に股開け」と提案し
その後、
国の制度使えばいいだろ、そうすりゃもっと金入ってくるぜ
と提案し去っていく。

 


この提案は、娘を救う為の忠臣の賭けだったんじゃないかと
筆者は思うんですが考えすぎかな…


娘に返済を負わせる提案をする事によって
当の娘の本人はは当然ですが拒否をする
母親は娘に自分達の為に見を捧げろと言う
忠臣にとって、この状況は想定内でも想定外であるか全く見えてきませんが


(この提案の後
娘と母の言い合いのカットあるんですが忠臣目線のカット割りなのかな)
母親が娘に食ってかかるように言い合いになった
後、忠臣は虚無みたいな顔してないか
だったら国からもっと貰えるようにしろよ
提案する忠臣は娘と母を直視できてませんし


一つ目の提案の後に
もう一つ案(二つ目の提案)があると案を出す事で
娘を救う為に、賭けをしている
(忠臣は娘の救済に暗躍しているのではないか)

これは家族全員が負うことができるポジションで誰が一番担うに値するか


安藤忠臣という人間が、盛大に「やばいヤツや」にしか見えてこないんですけど
母親に捨てられた事実がある忠臣です


この母親は自分と血が繋がっている唯一の人間である娘を切り捨てはしないのではないか
という、『血縁』の部分に娘を救済する為に賭けに出たのではないか

 


一度は娘を選んだ母親ですが
最終的に夫を連れ出し、忠臣によって引き合わされた親方が(ラスファイに訪れた親方に返済方法の提案をする

忠臣は完全に「どん底」みたいな雰囲気に見えるんだがな、虚無堕ちの虚無みたいな)
忠臣の提案により
親方が夫を車で跳ね、重度の障害で寝たきりに
親子には「保険」なのか「国からの保証」なのか…が支払われ
親方も下衆一家も借金が完済できる金額である

あんなドッキリ、もうごめんだから」と言う娘に対し
敵を騙すなら味方から
おかげさまで、お腹を痛めて産んだ愛娘を失わずに済んだわ

と言う母親を司は軽蔑の目で見ている


・母親の「おかげさまで」というのと
・司は母親を軽蔑の目で見ている
・忠臣の目と親子が去った後の鼻息溜息を
考えると

忠臣の賭けは外れ
夫婦は娘に障害を負わせようと忠臣に連絡したが
忠臣が別の提案(父を車で跳ねる、障害を負わせる)をして最終的に娘を救済した
という事も憶測できる


ラストの取り立て時の去り際の忠臣の台詞より
ま、その気になったら連絡くれよ
この台詞から
全ての鍵を握っているのは、提案とその手の人物を手配できる忠臣1人なんですよね
そして唯一、人選変更権を持っている人間という存在になる

 


そして、母に触れられる時に一度暴行を受けた恐怖からか一瞬身体が跳ねる娘
(闇ドのカット割りで
誰かの視点のように映す時が稀にあって
闇ド6の
忠臣の阿修羅の刺青の背中のシーンは未奈美の視点
司の辞表のアップは忠臣の視点
のように、この娘の身体の反応を正面から見ている視点は忠臣かな?とも思えるカットなんですよね。人によって捉え方は違うと思うので、まあ好きなように捉えましょう)


忠臣は娘の救済に成功したが、保険金が入り借金が完済でき
浮かれて寝たきりの父息子2人の存在など忘れているように飯に行こうと言う母と娘
その娘を追う目は
この後の進んでくであろう、自分には止めることのできない
自分の債務者でなくなった以上何もしてやれることができない
末路を哀れんでいる様に見えてくる気がするが
これ微妙なところなんですよね、どれだけ忠臣という人間に惹かれているかで見方が変わってくるのであろうし。


盛大に安藤忠臣が、本当にやばい奴やというか
司が言った様に
『地獄の脚本家先生』の忠臣のシナリオ通りに
動かされている下衆一家なんですよね
これこそまさに、人心掌握していらっしゃる。
(山田裕貴は、この人心掌握を登場人物に対しても視聴者に対しても仕掛けてくるのが筆者が大好きなポイントです。だって安藤忠臣は非道にも良心があるようにも見えるんですよね善人にも悪人もどっちもに見えてくる。登場人物達が忠臣によって操られているのに初見の私は気がつかなかった
んですよね。それに気がつかせないところが
筆者が山田裕貴の演技に惚れちゃうポイント。私がただのお馬鹿なだけかもしれないけど)


完済して浮かれている債務者が気に入らなく
忠臣が金を回収できるならなら手段は選ばない、というか選ばない人間ではあるが司も同様にあれでも家族かよと思って黙ってれないんだよな。
と思うと、司は忠臣が親の愛を探究してるのに気がついていないんだよな(そりゃ本人なにも言ってないもんな)。


忠臣は「偶然この結末になっただけだ」とは言うが
地獄の脚本家の思惑通りだろと、思惑に通りに進んで行ったが
叩き出された答えは、忠臣の欲した答えではなかったのだろう、だから信じがたい受け入れがたい現実に虚無を感じてしまったように見える気がするラストの鼻息溜息の忠臣よ。

 


闇金ドッグス8の個人的な裏テーマ
忠臣の理想の仁義VS親の愛(血縁)の現実

 


この母親が母親なら娘も娘なのだがな
寝たきりになった父親を哀れまない
それでも、忠臣はこの下衆一家の娘に哀れみのの様な目を向けるのか
なぜ、この様な娘に必死に救済する為に暗躍した様に見えてくるのか(信じられないけど、忠臣めちゃくちゃ娘見てるんですよね…気にしてるよね)

 


下衆一家で一番まともな人間であった
自立し家から出て暮らしていた兄の存在が大きいのではないか?


忠臣は、取り立てに行った際に
怯えつつも金を差し出し歯向かってきた兄の誠意と勇敢さを買い
自分が融資しなかった結果、病気になり寝たきりになった末路に対して
酬い』ているのではないかとも思えるわけでして


下衆一家の兄は
会社の損害賠償の工面できない金の融資を求めラスファイにやってきます
司は会社に対する熱い気持ちを買って融資を忠臣に薦めるが
忠臣
屑みたいなキリギリスには貸せるが、保障のないアリには貸せない」と言い融資を拒否する


冒頭のシーンまで遡ります
親方には
親方、組合入ってるか〜
保険は適用されねえんだわ!!
それが嫌なら〜現場で事故れよ

と首にロープをかけて脅しています
忠臣に恐怖し怯えて逃げていく親方と
この2人のやりとりを見ている司

 

親方が逃げていく
この時
忠臣は傷ついていそうな目をする
司は
忠臣さんはホントに物知りっすよね
会話しながらも忠臣の表情をよく見ている気がする
(司は忠臣が傷ついている目をしているのに気がついており
自分で脅し文句言って怖がらせて
なんで自分で傷ついているんだ、この人
理解できない
と思っていそうな目で見てないか、司の心の裡も誰か教えてくれ)
なんでだろうな…
闇ド7のラストでショタコン先生をドラム缶に入れて売り飛ばしている時は何とも思ってなさそうなんですけどね
忠臣、お前の精神不安なのわかるんだけどさ
情緒不安定だな、そこが魅力だよな


闇ド2・闇ド6にて
健康な身体は金になると臓器売買や保険で返済を提案する人間(脅しと本気が混在しているが)


健康な身体は『担保』になるんですよね


下衆一家の兄に対しても返済出来なかったら
親方に言った様に下衆一家(父母娘)に言った様に
国の保証に頼れと提案できる筈なんですよね

 


この究極の提案以前に忠臣は
下衆一家の兄に「融資をしない


それは、忠臣が客を選んでいるから
忠臣は下衆でも家族の為に自分に向かって歯向かい悩む事なく金を差し出した
勇敢さ」と「誠意」を買って
融資するに値しない、真っ当な人間』だと彼を切り捨てたのだろう。
だが、忠臣の選択も虚しく兄は追い詰められ病に倒れてしまう。


下衆一家の兄は
忠臣と同じく、妹がおり
忠臣は、この兄の気持ちが一番理解してやる事ができる境遇の人間です
だが、その自分に勇敢に歯向かってきた下衆一家の兄は寝たきりに憶測ですが、

忠臣は自分が妹にしてやれなかった事を
下衆一家の兄の代わりに
この下衆一家の娘(妹)に対して過去の『贖い』をしているのではないか
とも見えてこなくはない。


解釈次第で、

安藤忠臣が

ただの闇金業者か非道な取り立て屋か

神か阿修羅か仏の顔も3度までに見えてくる。


だから、闇金ドッグスはおもしろい
安藤忠臣という人間は魅力的に見えてくる。


忠臣ですが、中盤で人にぶつかって
「すんません」て言える人間だったんだなというw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


だが、この母親も自分の母親同様に
一度は子を切り捨てたが


忠臣にとって、この惨状は
どのように捉えたのだろうか
彼が、求めていた答え